KIOTOPARISの日記

Wineと日本酒、その他楽しいこと

ムートン・ロートシルト 1984年

f:id:KIOTOPARIS:20180104153602j:plain

初夢を見ました。なんかの集まりらしく、田舎の叔父とワインを飲んでいました。2本の古いワインで、1本は間違いなくシャトー・ムートン・ロートシルトChâteau Mouton Rothschild 1995年でした。

 

田舎の叔父がワインを飲むこと自体(超日本酒派)現実にはありえなく、「これは夢!」と直ぐにわかるのですが、夢の中のワインの色と味は実にリアルで、熟成したボルドー古酒のもつ煉瓦色、落ち葉のような香りと、ハチミツのような甘さが再現されていました。

 

しかし、私はムートンの1995年は飲んだことがないのです。これまで飲んだムートンは4本で、1966年、1978年、そして(はずれ年と言われる)1984年が2本です。

 

どうも夢の中でのワインの味は1966年や1978年のムートンの記憶のようです。脳外科をしている友人はワインのtasteは脳のどこに記憶されるのか?と研究課題にしていましたが、世界最優秀ソムリエの田崎真也さんは、右脳でtasteし、左脳にそのワインを言葉で表現して記憶し、ワインを言い当てる時にこの表現の記憶をマッチさせるというようなことを言っていました。

 

因みにムートン1984年の1回目は3か月の研修のプログラムの中に組み込まれていたワインテイスティング・クラスの時に用意されたものでした。この時(1993年)は1984年が所謂「はずれ年」とは知りませんでした。

 

1994年の初めにロンドンヒースロー空港の免税店を通った時、1984年のムートンが山のように積んでありました。1本が日本円でなんと5,000円程。「お財布と相談しながら」と言いたいところですが、実際は「相談」などせず、無意識のうちに手が行き、気が付いたときは1本抱えてレジに行っていました。(ヒースローの免税店ではホントにたまにこんなことがあるのですね。ドンペリのロゼ1996年が1万2千円程で売られていたこともあります。)

 

先日(201711月)銀座のある老舗百貨店のワイン売り場を歩いていたら、この同じムートン・ロートシルト1984年が19万円!!!で売られていました なんと凄い! OMG! あの時、1本でなく、3本、できたら6本買っておけばと悔やんだものでした。

 

ワインを少しでも勉強した人は、ワインの当たり年、はずれ年というのがあることを知っています。そしてボルドー2000年、2005年、2010年のように「当たり年」はお値段が結構高くなっていますよね。しかし、「はずれ年」はどうなんでしょうか??? 

 

「はずれ年」に関してはこの記述がとても気に入っています。

1984年って、フランスでは戦後最悪と言っていい1年に違いないと思う。すごく雨が多かったから、よくない年になって、ワインもまずいとみんなが思っている。でも起床した時に機嫌が悪いからといって、一日中機嫌が悪いとはかぎらないと同じように、それは間違っている。」(ジョナサン・シアター「ワインの真実」 page 218

 

そうですよね。朝の機嫌が直ることだって多いんですから。

「はずれ年」ワインに乾杯!