KIOTOPARISの日記

Wineと日本酒、その他楽しいこと

No healthy level of alcohol consumption, says major studyというショックなニュース

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No healthy level of alcohol consumption, says major studyというショックなニュース  ⇒  これって一方的じゃない??

 

2018年8月23日付けのGuardianに、「アルコール摂取に健康なレベルはない」という記事が載っていました。結構、話題を呼びましたね。以下がその記事です。

https://www.theguardian.com/society/2018/aug/23/no-healthy-level-of-alcohol-consumption-says-major-study

 

< 記事の内容 抜粋 >

「時々飲むだけでも健康に害がある」ということで、呑み助にとっては一大事のニュース。

シアトルのワシントン大学の研究でLancetに掲載された。1990年から2016年にわたり195か国で調査したもので、694試験で通常の飲酒について調べ、2800万人が含まれる592試験で健康上のリスクを調査したもの。

それによると、アルコールで2016年に280万人が死亡しているとのこと。未熟児での死亡や障害を引き起こす一番のリスクファクターで、15歳から49歳のグループでは20%を占めるとのこと。

多くの国でのガイドラインは1日グラス1杯~2杯のワインやビールは健康上のベネフィットがあるとしているが、この研究では「飲酒に安全なレベルはない」としている。少量のアルコール摂取は循環器疾患の予防になり、糖尿病や脳卒中の予防にもなりうるとはしているが、リスクの方が大きいとしている。50歳以上では癌のリスクが大きく、特に女性。英国では乳がんの13人に1人はアルコール関連とか。

世界的にみると若年層でのアルコール関連死は結核(死亡の1.4%)、道路での傷害(同1.2%)、自傷(同1.1%)だって。

 

☆☆☆

などなど、飲酒に対しネガな話が続くのですが、そこは流石にGuardian。最後に反対意見(?)も入れてバランスをとっています。

 

それはケンブリッジ大学のDavid Spiegelhalter教授(リスク・コミュケーションの専門家)の話。内容は簡単に言うと、「適度に飲んでる人の害はとても低いレベル。」「クルマの運転でも安全なレベルというのはなく、政府だって運転を避けるようにとは言っていない。生活していくには安全なレベルというのはないんだし、リスクがあるからといって、じゃあ止めたらと勧める人はいない。」って。

 

☆☆☆☆☆

この研究では、アルコール飲料の種類(蒸留酒とか果実酒など)によるリスクの差は見ていません(仮にあるとして)。またアルコールの飲み方(イッキ飲みとかの短時間での摂取かどうか)や、アルコールを分解するアルコール脱水素酵素(ADH2)・アセトアルデヒド脱水素酵素(ALHD2)の酵素活性などの遺伝子的な「お酒の強さ」体質とアルコール摂取リスク分析もありません。単純にアルコール飲料をアルコール量に換算して研究を纏めています(1 unit は100%アルコールで10ml)。これはあまりにも大雑把ではないか、果たして現実の世界(real world)のデータといえるのか疑問に思いますね。

 

この記事を支持する側からは、これまではほぼ毎日夜更けまでアルコールを飲み続けていたとか、お酒を飲んで意識が無くなったことがあるとか、酔っぱらって無茶苦茶散財してしまったとか、どちらかというとアルコール依存症と言ってもいいような方から「飲酒をやめてよかった」という投稿がありました。そんな飲酒レベルなら最初から飲まない方がいいですよね。

 

半面、「酒は百薬の長」、「適正量ならいい」、「飲まない方がストレス」とか、いろいろ意見がありますね。

 

このようなアルコール摂取に対してのnagative dataを単純に取り上げて、アルコール(私の場合はワインと日本酒)を悪者にして、アルコール飲料の税金を上げたり、販売規制などにつながらないか、心配です。

まあ、人様にご迷惑をかけないで、ご自身の肝機能とお財布と相談し、ほどほどに楽しみましょう。