KIOTOPARISの日記

Wineと日本酒、その他楽しいこと

海外からワインを持ち込む? (1)

フランスなどを旅行し、現地でワインを沢山買って帰りたいと思う人は多いでしょう。私の経験からワインの持ち込み方(勿論、100%合法的ですよ)をご紹介します。

 

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免税本数の3本は超えても構わない

  1. 「ワインやウィスキーなどの酒類の免税本数は成人1人につき3本まで」というのはよく知られています。そして日本への持ち込みは3本を超えてはいけないと思っている方が意外と多いのです。
  2. 免税本数を超えても空港の税関で所定の税金を支払えば全く問題ありません。空港で荷物を受け取り、税関では「課税」のところに行きます。税関申告書に記載しワインの本数を申告すれば、税関の職員の方が課税金額をすぐ算出してくれます。税金は税関の後ろにある銀行の窓口で支払います。
  3. 夫婦で43本持ち込んだ場合、二人で6本は免税となり、免税とならない残り37本分に課税されます。税金は5,400円(750 mlボトル1本換算で146円)と非常に安いものでした。750 ml以外にも容器が620 mlのジュラのワインがあったので、1,000 mlに換算して税金を計算してくれたようです。
  4. 空港の税関では正直に申告しましょう。夫婦で何度もフランス旅行し、50本くらいは持ち帰っています。税関の係員からは「(ワインは)個人用ですか?」程度は聞かれますが、ワイン50本程度の持ち込みは全く問題ないようです
  5. 10年ほど前ですが、フランス駐在から戻る際にワインを随分と持ち帰りました。その時にお世話になったパリの引っ越し屋さん(パリの日〇通〇)によると、許される持ち込み数量は国内の通関の場所により(税関により)異なり、100本~200本くらいの幅があるそうです。外国人が多く住む(住んでいた)ところの税関はワイン持ち込みの許容数量も多めになるとか。
  6. ワインとチーズは切っても切れない仲。チーズはなんと10 kgまで日本に個人輸入として持ち込めるのです。詳しくは下記のHPをご参照下さい。 

    http://www.maff.go.jp/aqs/topix/dairy_products.html

     

どのようにしてワインを持ち込むか?

  1. フランスであれば(ほかのヨーロッパ諸国も同様なサービスがあるようです)日本にそのまま(それこそdoor-to-doorで)送ってくれる宅配サービスがあります(Wine Directなど)。基本的には6本単位になるようです。現地のスーパーではこのサービスは無理ですが、大きなワインシップや大手ワイナリー(例えばボーヌのLouis Jadotでは日本への送付はOKとなっていました)では日本へのワイン送付をしてくれます。
  2. ヤマト運輸でのサービスHPを見たら、ブルゴーニュシャンパーニュ地方から12本で€170、パリからは€130との価格表示がありました。http://yamatoeurope.com/japanese/winedirect.htm 私はこのサービスは使ったことはないのですが、アルザスからワインを日本に送った友人の話では、やはり荷物にならないので、大変に楽だったとのことです。
  3. そしてワインショップ大手では、嬉しいことにワインも免税扱いにしてくれます。ボルドーの有名ワインショップのランタンダンL’Intendant (住所:2 Allées Toumy, 33000, Bordeaux)では免税扱いOKでした。パリのワインショップのLavina(住所:3-5 Bourvard de la Madelene)では€180以上の購入で12%の免税とか。高級ワインを纏めて€1,000買ったら、€120が免税になり、この金額でほぼWine Direct代金分が浮きますね。大手ワインショップではワインを購入する前に免税対応ができるかを確認した方がいいですね。

 

手荷物にして自分で持ち込む場合

  1. Wine Directは便利ですが、やはり送料が€130といえどもワイン代に充てたいという方、自分の荷物に十分ワインは入るという方、直ぐにワインを楽しみたいという方などには、ヒコーキの預け荷物としての持ち込みがあります。なお、当たり前ですが、ワインの機内持ち込みはダメです(何人もの友人がウッカリと手荷物にワインを入れてしまい、セキュリティで没収されています。それも高いワインを。実にもったいないですな...)免税店で買ったワインは包装されている密閉バッグを開けない限り、乗り継ぎでもOKです。
  2. 私の対応方法ですが、

    1) エアラインの選択は重要です。LCCは荷物の数や重量の制限が厳しいので、運賃は安くてもワインを運ぶには不向きですね。私の場合は今でも夫婦でANAのSuper Flyerになっているので、エコノミークラスでも23 kgの荷物が一人3個OKで、二人で6になります。これは十分です!エアラインも十分前もって変更不可として予約すると、かなり安いです。私の場合も、2018年5月上旬(GW後)のパリ便を5か月前に予約したら、往復二人で235,740円でした!

    2) スーツケース(バッグ等含め)が6個あると、かなりのワイン送付のキャパができます。スーツケースに750 mlボトルが10本から12本は入ります。これ以上詰め込むと23 kgをオーバーする可能性が高いです。またシャンパンボトルや、ブルゴーニュの肉厚のボトルは重量が嵩むので注意が必要です。ブルゴーニュの普通のボトルで1本1.3~1.4 kg、シャンパンボトルで1.55 kgと言われていますので、ご参考になさって下さい。

    3) 日本を出発する時から二人で6個も荷物を持って移動するのは大変なので、大きな荷物の中にバッグを入れるなどして、なるべく荷物の数を少なくします。私の場合は二人で3個になりました。

    4) 日本を出るときの用意として、「100均」でプチプチをできるだけ大量に購入。これはかさばるけど軽いので楽です。新品でなくてもワインを買ったときに包装されているプチプチでも十分です。他にガムテープ、ナイロン紐、カッター・ナイフ、ハサミは必需。プラスチック製の「ハンドル」やバッグにつける名札もあると便利。すべて100均で用意できます。また、荷物の重量を測る小さな重量計があると非常に便利です(下記の写真)。

    5) ワインボトルをプチプチでしっかり巻き、ガムテープで留めます。外側が固いスーツケースの場合は、ワインが動かないように衣服などを絡ませて配置を決めます。繰り返しますが、スーツケースに10本から12本が適正本数です。ワイン3~4本を纏めてグルグル巻きもいいです。ポイントはボトルが動いたりして、バッグの中でボトル同士がぶつかったりしないようにすることです。

    6) 布製やナイロン製のソフトバッグでワインを運ぶ場合は破損防止用に少しテクニックが必要です。おすすめは段ボールか厚手の固い紙で最初にバッグの上下・側面を囲い、ガードをつくることです。固いガードがあると多少手荒に扱われてもワインの破損は免れます。

    7) もし木箱のケース(ワイン6本入り)で購入するのなら、かなり簡単になります。

    ① 6本入りの木箱のケースは6本が水平に並んでいる場合と、3本づつ互い違いに2段になっている場合があります。木箱の中の仕切り板はワインの値段によって違います。一番安い包装は仕切りが段ボールでできたもの。これは安っぽいですが、意外にしっかりとワインにフィットします。高級ワインでは1本づつボトルのネック部分が上下から薄い木の仕切り板でワインが固定されます。

    ② 水平6本の木箱でも3本づつ2段になった木箱でも、どちらも送付用にはOKですが、2箱をガムテープか紐でしっかりと縛り、持ち運び用にプラスチックのハンドルをつけましょう。名札もつけておけば安心です。

    ③ 放り投げられない限り、木箱は丈夫で安全です。ワインの木箱の開け方は簡単で、マイナスのドライバーを板の隙間に入れてゆっくり持ち上げるとすぐ開きます。

    ④ ワイナリーでも有料で木の箱を用意してくれるところがあります。1本用、2本用、3本用もありますが、荷物として纏めるのには適していません。贈答用にはいいでしょうが。やはり6本入りをお勧めします。

    ⑤ 日本に到着し、木箱を開けてみると、箱の中の薄い木の板の部分はボトルが動いたせいか少し削れていることがありますが、ボトルそのものには全く影響はありませんでした。

    ⑥ プチプチを箱の4隅のエッジに当てておくと、箱の状態もよく送れます。木箱のワイン名がある部分は後日デコレーションにも使えるし、木箱をコルク置きに使うとか、ワインの木箱もいろいろと楽しめますね。

    8) 発砲スチロールでできたワインケースがあれば(下の写真)、軽くてきっちりワインにフィットするので超便利です。12本ケースなどはそのまま荷物にできます。とても便利ですが、無料ではないので、このワインケースがどのくらいのお値段になるかですね。以前はワインショップで簡単に手に入ったらしいですが、最近はあまり置いていないようです。

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二人(以上)の旅がお勧め

一人旅も楽しいですが、ワイン購入旅行には二人(以上)の旅がお勧めです。

その理由は、

  1. 2人で行く場合、荷物は2人 x 2個、あるいは2人 x 3個(以上)になります。2人の旅行用品をスーツケース1個にまとめられれば、残りはワイン持ち込みに使えます。荷物3個あれば1個にワイン12本入れたとして、36本は確保できますね!
  2. 駅のトイレとかスナックを買いに行くとかの用事にもう一人に荷物の番を頼めます。いちいち荷物を転がしながら動くのは大変です。決して荷物を放置してはいけません
  3. 仮に一人が盗難にあってカード・現金がなくなっても、残りの方ので緊急対応ができます。
  4. ワイン代確保のために(?)「アパルトマン Appartement」に宿泊するケースもあるかと思いますが、一人で食事の用意をするのは気後れしますし、一人での食事は料理の数も限られるし、ワインもせいぜい1本だし...ということで、ご夫婦、パートナー、親しい友人と行くのが楽しいですね。
  5. ただ、3人以上になると、何処へ行くかとか、誰が何を担当するのかとか、意思決定でもめる可能性が高くなりますので、仲良くご旅行くださいね。

 

破損事故?

これまで(多分)10回以上に渡って数本から50本以上ワインを持ち込みましたが、ボトルの破損事故はたった1回だけです。

  1. それも日本に到着し、成田の税関をでて乗り継ぎの国内線でのチェックインの時です。若い女性の係員が対応してくれたのですが、「重いから注意してね」と言ったのに、バッグが小さいので安心したのか軽く持ち上げようとしてバランスを崩して20~30cmの高さからバッグを落としていました。この時に破損したと思います(成田に着くまではバッグに何の異常もなかった!!)。
  2. 伊丹に到着し、荷物受け取りで見たらバッグが濡れていて、自宅で開けたら、ワインが1本破損していました。シャブリのグラン・クリュだったのに!(怒!!) 
  3. ボトルのプチプチの上から包んだパジャマにもワインが滲みて、それが結構いい香りになっていて(!?)、一層無念感が増したものでした。
  4. Fragileこわれ物」としてエアラインが預かっている場合は、乗客に包装責任があり、エアラインは弁償する義務はないようです。
  5. この時はステータスが最上級の「ダイアモンドクラス」でもあったし、一応エアラインにはクレームは出しておきました。直ぐ丁寧な返事はありましたが、要するに「申し訳ございませんでした」だけでした(クレームしたのは別に補償を求めたわけでなく、日本のエアラインとは思えないほど対応が雑だったから)。このことがあったので、ソフトバッグは段ボールで囲んで外部に対し補強することにしています。また小さなバッグだと軽いと安心してしまう可能性があるので、それなりの大きさのバッグにいれるようにしています。そして日本で預ける時にはシツコク、シツコク「丁寧にお願いしますね!」と、グランドスタッフには口を酸っぱくして頼んでいます。それ以来、破損事故はゼロです。

(「海外からワインを持ち込む? (2)」に続きます)