焼酎についての纏め
2017年の2次試験のテイスティングでは6品目のうち、2品目が焼酎(芋と泡盛の古酒)でした。2018年は5品目で、焼酎は芋焼酎でした。
テイスティングでは外観・香り・味わいの点数が高いのですが(SAKE DIPLOMA 二次試験対策 (1)参照下さい)、単品で出される2種は、ワインエキスパートでは各銘柄2%になっています。SAKE DIPLOMAも同じ配点とすれば、焼酎2品目で4%です。
J.S.A.のセミナーでも、焼酎を間違えて不合格になった方が多かったというような趣旨の発言がJ.S.A.の幹部からありました。
私も焼酎は得意ではないですが、セミナーでの内容や個人的な経験から下記に特徴を纏めました。
一番わかりやすいのが芋焼酎ですね。こちらは焼酎が得意ではない方でも直ぐかぎ分けられると思います。セミナーのブラインド・テイスティングでも多くの方が当てています。
すなわち、芋焼酎が試験に出て、それを落としてしまうと、かなり差がついてしまうということになります。反対に米焼酎や泡盛は間違える方は比較的多いので、ここでの差は相対的に少ないと言えます。
そして、これは勿論確定ではないのですが、そば焼酎は出題されない可能性が高いと思っています。理由はそばアレルギーで、これに過敏な方はほんの微量でもアレルギー反応がでます。J.S.A.のセミナーでは一度もそば焼酎は出ませんでした。テイスティングに出たのは芋、麦、米、泡盛の4品目でした。
(繰り返しますが、そば焼酎が二次試験に出ないだろうというのは、あくまで個人的な推測です)
焼酎の特徴
- 芋焼酎
- 特徴 ⇒ さつまいも特有のソフトさと甘味。エステル香、サツマイモを蒸かした時の香り。コガネセンガンがまだ主流。
- ポイント ⇒ 焼酎が苦手な人でもこの芋焼酎が一番特徴がつかみやすい(間違う人が少ない)。逆に芋焼酎がテイスティングで出題されたのを間違えると、差が付きやすいので注意が必要。
- 産地 ⇒ 鹿児島県と宮崎県南部が主産地
- 米焼酎
- 特徴 ⇒ 糠床、イソアミルアルコール、カビ、土の香り。イソブタノール(イソブチルアルコール⇒プロパンのガス臭)、アミノ酸(ロイシン、イソロイシン)、純米酒と比較すると米の香りが残る。吟醸酒様の芳香と淡麗な味わいのソフトなものから米特有の香りと濃醸な丸味のするしっかりとしたものまで。米に由来する芳醇な甘さと香り。日本酒に近いすっきり感
- ポイント ⇒ 泡盛と間違えることがある。米の香りが捉えられるか。
- 産地 ⇒ 熊本県人吉地方の球磨焼酎
- 泡盛
- 特徴 ⇒ 25度。黒麹使用。炭、土、黒土、苦味と灰のようなスパイス香、珊瑚・貝殻の余韻。海の潮香。Sharpな苦味。黒麹を使っているので、dryな印象となる。風味は紹興酒に似ている。泡盛は他の焼酎と比べると「バニラの様な強い甘み」。ひねた沢庵?
- ポイント ⇒ 泡盛にあまりなじみのない方は特徴をつかむ特訓必要。米との違いが分かるか?珊瑚・貝殻の余韻がつかめるか?
- 産地 ⇒ 沖縄県
- 黒糖焼酎
- 特徴 ⇒ 黒糖の甘い香り、軽い口当たり、爽やかな飲み心地。
- 産地 ⇒ 鹿児島県奄美大島
- 麦焼酎
- 特徴 ⇒ ライ麦パンのような(パンの上にsmoke salmonなど)麦特有の香り、まろやかで甘味、淡麗で軽やかな風味。熟成していないウイスキー香。
- 産地 ⇒ 長崎県 壱岐焼酎
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そば焼酎
- 特徴 ⇒ そば固有の風味。そば焼酎の風味は、そば特有のフレッシュな香りと軽快な丸み。そば殻のような香ばしい香り。 透明感のある酒質、軽快でドライな苦味成分が特徴。
- ポイント ⇒ ソムリエ協会のセミナーではそば焼酎は一度もテイスティングに出されない。アレルギーを危惧しているのか(ごく微量でもアレルギー反応を起こす人は存在する)? 断言はできないが、テイスティングで出題される可能性は少ないのではないかと推定。(出題されたらゴメンね)
- 産地 ⇒ 宮崎県高千穂地方、長野県
以上、ご参考になれば幸いです。