KIOTOPARISの日記

Wineと日本酒、その他楽しいこと

フランス ワイン旅行 DAY 3 - モエテシャンドン社訪問

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シャンパーニュ地方を訪問した最大の理由!

今日は、今回のフランスワイン旅行のハイライトの一つ、エペルネÉpernayのモエテ・シャンドンMoët & Chandon社訪問です。

日本では「モエ・エ・シャンドン」と言っていますが、リエゾンするので、フランス人は「モエテシャンドン」と言っています。ここでは、モエテシャンドンに統一しますね。(なんか「燃えてシャンドン」ね、と燃え尽きちゃう感じはしますが)

 

以前勤めていた会社のフランスの子会社の社長に「今度フランスに行くんだけど、モエテシャンドンで誰か知ってる人いない?」と聞いたら、なんと、彼のコネで「VIPツアー」をアレンジしてくれたのです。

 

Épernay到着

エペルネにあるモエテシャンドン本社に午前10時半に来てくれということで、ランスReimsからTER(ローカル列車)で30分ほどにあるエペルネに向かいました。

 

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土日祭日は時刻表が異なります。土曜日は始発が06:49(エペルネ到着が07:35)、エペルネからランス行きの最終列車は23:55でランス到着が00:27とのこと。

 

エペルネはランスから比較的近いので、タクシーでも簡単に行けて、30~40ユーロくらいだそうです。日曜祝日は料金が少し高くなるようです。今回はSNCFフランス国鉄で行きましたが、ランスではタクシーはあまり走っていないようです。駅を出て左側を歩くと、タクシー乗り場はありました。

 

ランスは18万人程の人口がありますが、エペルネは2万4千人ほどの小さな都市です。エペルネまでランスから通勤しているか方も多いようです。それでも、エペルネはシャンパンの聖地で、シャンパンのcapital (Capitale du Champagne)と言われていますね。

 

土曜・日曜は意外と列車の本数が少なく、早朝の列車を選択せざるを得ませんでした。午前8時10分にエペルネに着きました。

 

エペルネはフランスの田舎の駅という感じ。土曜日の午前8時なので殆ど人は歩いていません。なんか時間もゆっくり進んでいるという雰囲気ですね。

 

モエテシャンドン本社

方向音痴の私は、とりあえずモエテシャンドン本社の場所だけは確認しておこうと思い、動き始めました。

本社はシャンパーニュ通り(Avenue de Champagne)にあるのですが、初めて訪問するのでよくわからなく、公園の中に向けてシャンパーニュ通りの矢印があるのを信じて公園を横切ったら、なんとモエテシャンドン本社の目の前にでました。

後で聞くと、この公園と建物はモエテシャンドンがエペルネに寄付したと言ってました。因みに、この公園には公衆トイレがあります。

 

モエテシャンドン本社の前のシャンパーニュ通りの斜め前には観光案内所があります。土曜日は午前9時からオープン。残念ながら、ここでWiFiは使えなかったのですが、職員の若い女性が自分の携帯のアドレスを使って、家内の携帯が使えるようにしてくれて、メールでの緊急の連絡はできました。

 

アポイントまで時間があったので、シャンパーニュ通りを歩いてみました。モエテシャンドンの隣にはペリエ・ロジェ、ポル・ロジェがあり、流石に風格のある建物が並んでいます。道路にゴミは落ちなく、パリではよく落ちているワンコの糞もないのです。そして街路灯のデザインも凝ってますね。

 

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モエテシャンドンの特別ツアー!

早くモエテシャンドンに到着し、入り口の左奥にあるドンペリニョンの写真をとり、30分程前にモエテシャンドンの広くゆったりしたロビーで待っていると、時間より早く現れたのが、東洋人の女性。

モエテシャンドンに勤めてもう10年になるというHOHさん。肩書はMaison Ambassadorで、中国は西安のご出身とのこと。英語は勿論、フランス語、中国語、そして日本語も少しできるとのことでした。

 

彼女が1日フルにアテンドしてくれました。我々夫婦だけ。まさにVIP Tourでした。午前はモエテシャンドンの歴史やカーヴ案内、そしてモエテシャンドン2009年と、同じ2009年のロゼの比較tasting。

 

ナポレオンが愛したシャンパ

モエテシャンドンのシャンパンはあのナポレオンに愛され、それを記念し、「アンペリアル」という名前が付いたとか。今ではシャンパン通りにはモエテシャンドン、ペリエ・ジュエ、ポル・ロジェなどの超有名シャンパン会社の建物が並んでいるけど、モエットがメゾンを建てたときは辺りには何もないところだったそうで、そのあとにほかの会社が移ってきたとのことです。知らないことばかりでした。

 

モエテシャンドンはとても日本市場を別格扱い

シャンパンでは日本は2017年に数量・金額とも世界No.3になりましたが、モエテシャンドンに限って言うと、日本市場は世界で2番目なのだそうです。そのため、アジアでは日本は別格で、「日本」と、「他のアジア」というビジネス区分になっているとか。とても日本を大事にしてくれている様子で、嬉しくなりますね。

 

ドンペリニョンの修道院

午後はなんと、ドン・ペリニョンが実際に生活し、シャンパンを造っていたという修道院を案内してくれました。通常は一般客にはクローズされていて、今日は我々夫婦2人だけ。

 

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シャンパンのお勉強

私はシャンパンが大好きで、ここ10年で1,000本まではいかなくても500本以上は飲んでいると思います。ワインエキスパートの勉強ではシャンパンのところがとても面白かった(けど、割とページ数は少ない...)

 

日本を出る前に、シャンパンでこれだけは是非聞いておきたいという事項をまとめてきました。私からの質問はほぼ全部彼女が答えてくれました。中国では大学院を出て、英語の先生をしていたとのことですが、とても勉強熱心な方なのですね。

 

特別な澱抜き!

話を聞いて面白かったのは、澱抜き方法です。通常、シャンパンの澱抜きをするときにマイナス20度くらいのCaCl2の液に浸して澱をシャーベット状に固め、瓶内の圧力で澱をスポンと取ってしまう方式だと学んでいたのですが、ドンペリのレベルではこの方式は使わないとのこと。

 

常温で仮栓を抜き、圧力でほとばしるシャンパンで澱抜きをして、同時にテイスティングを行い、想定通りの品質になっているかを1本1本確認しているとか。

 

ドンペリレベルではルムヤージュRemuage(動瓶)を手作業でやるのはその通りとして、毎日1/8(角度として45度)を回すというのは、その年のドンペリの状態で角度や日数が変わってくるとか。

 

動瓶に使うPupitreの板はもう作っているところは殆どないとのことです。最近ではディスプレイに使われたりすることが多いそう。

 

コルクの会社まで持ってるとのこと!

なんと、モエテシャンドンではコルクの会社もポルトガルに確保しているとのこと。普通では見えない製品ロットナンバーを使い、ブショネやその他の不具合は製造までトレースできる体制になっているとは、恐れ入りました。

世界売上トップの年間4000万本以上も販売し、それでいて、品質にぶれがないということは、相当の努力をしているのでしょうね。私自身、サラリーマン時代は品質管理にうるさい業界にいたので、そのご苦労はわかります。

 

カーヴを案内していただきながら、私からはずっと質問攻め。ちっとも嫌がらないで、丁寧に説明していただき、いろいろ聞けて、最高に面白かった。

 

P2の試飲!!!

ドンペリではなんと、2009年のものと、P2と言われている2000年の比較tasting。なんとまあ、贅沢な時間でした。

 

ワイン、シャンパン、日本酒、白酒で盛り上がる!

更に、ドンペリのtastingでお世話になったソムリエ役の若い方は、2年ほど前に日本の京丹後で日本酒造りの勉強をしていたとかで、ワイン、シャンパン、日本酒、白酒の話で大いに盛り上がり、予定の終了時間を超過してしまいました。